PubMedID |
18391941 |
Journal |
Nat Cell Biol, 2008 Apr 6; [Epub ahead of print] |
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Title |
Mature ribosomes are selectively degraded upon starvation by an autophagy pathway requiring the Ubp3p/Bre5p ubiquitin protease. |
Author |
Kraft C, Deplazes A, Sohrmann M, Peter M |
基礎生物学研究所 分子細胞生物学研究部門 大隅良典研 壁谷 幸子 2008/04/15
リボソームのオートファジーによる分解、リボファジー、とユビキチン化の関係
最近、バルクな細胞質やオルガネラの一部を分解するオートファジーに加え、オルガネラを選択的に分解するペキソファジー、マイトファジー、ピースミール オートファジー、ERファジーが報告されている。今回は、これに加えリボソームを選択的に分解する系、リボファジー、を見つけた報告である。
リボソームのサブユニットタンパク質とGFP の融合タンパク質を酵母に発現させ、飢餓処理するとAtg7, Atg17 依存的に液胞に運ばれることが分かった。このリボファジーに特異的に必要な遺伝子を調べたところ、脱ユビキチン酵素Ubp3 とそのcofactor Bre5 が同定された。興味深いことに、これらの破壊株ではリボファジーの欠損が見られるものの、バルクなオートファジーには欠損が見られなかった。エンドサイトーシスやMVB経路では脱ユビキチン化酵素がカーゴの取り込みに必要である。リボファジーにおいて、Ubp3 の活性が必要であったことから、ユビキチン化されたリボソームをオートファゴソームに取り込む際にこれらが働いていることが予想された。
リボソームのバイオジェネシスに置いて、栄養飢餓時にどのように分解されているのか、今まで分かっていなかった点は意外でした。リボファジーにAtg7 が必要としながらGFP-Atg8 の輸送が正常な点は、理解できませんでした。やはり、バルクなオートファジーを評価するにはALP assayを示して欲しいと思いました。また、リボファジーに必要なAtgとそうでないAtgも個人的には知りたいと思いました。今後、リボファジーにおけるリボソームのサブユニットの選択性、脱ユビキチン化の必要な段階、バルクなオートファジーとのリンク、などリボファジーの生理的意義が明らかになることを期待したい。