PubMedID |
18376137 |
Journal |
Autophagy, 2008 Mar 20;4(5); [Epub ahead of print] |
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Title |
Utilizing flow cytometry to monitor autophagy in living mammalian cells. |
Author |
Shvets E, Fass E, Elazar Z |
東京医科歯科大学 細胞生理 水島昇 2008/04/23
新しいオートファジーアッセイ方法:フローサイトメトリー法
新規のオートファジーアッセイ方法の報告です。
従来オートファジーの活性の評価には、LC3のドット数の増加や、LC3-IIフォームの量の増加をみる方法がよく使われていました。しかしこれらをみるだけでは、オートファジーが本当に促進しているのか、あるいはオートファジーの後期が抑制されているのか(例えばリソソームとの融合不全など)の区別がつかない!ということになり、最近では、LC3-IIフォームがリソソームで分解される程度を「Flux」として評価する方法が谷田博士らによって開発され、スタンダードになりつつあります。
今回の論文で紹介されているのは、さらに簡便かも知れない方法です。GFP-LC3はオートファゴソーム内に取り込まれますので、オートファジーが起これば起こるほど分解されます。そこで、GFP-LC3の減少の程度をフローサイトメトリーで解析するという方法です。ドットになろうと、凝集しようと、LC3-IIになろうと、そんなものはお構いなしで、とにかく細胞全体の「GFP-LC3の総タンパク質量」だけを測定するというシンプルなものです。論文では、CHO細胞のGFP-LC3の安定発現株のデータが掲載されていますが、リーズナブルな結果が出ているようです。単一アミノ酸飢餓の実験もやられており、Arg, Leu, Lys, Met飢餓でオートファジーの誘導が強いという結果も妥当です。GFP-LC3の合成に影響してしまうような実験では難しいのかも知れませんが、客観性が高いという点では試す価値のある方法かと思います。