公募研究
液胞内脂質分解酵素の活性調節機構
研究代表者堀江(川俣) 朋子(Tomoko Horie-Kawamata) |
研究課題の概要と計画
オートファジーにより液胞/リソソームに運ばれるオルガネラの膜成分や脂肪滴などは、液胞/リソソームのリパーゼにより分解されると考えられている。本研究は、マルチモードオートファジーの終着点である”液胞”での脂質分解機構の全容を生化学的に明らかにすることを目的とする。出芽酵母では、液胞内リパーゼとして唯一Atg15が同定されている。Atg15はオートファジー関連膜やその基質として含まれる膜、MVB由来の膜、ミクロオートファジーにより内腔に取り込まれた液胞膜を分解する。一方、インタクトな液胞膜を分解しないことから、リパーゼの活性は厳密に制御されていると考えられる。Atg15の解析は、その単離の困難さから、生化学的な解析は長らく阻まれてきたが、私はAtg15の活性を評価できる系を既に構築している。そこで、液胞における脂質分解機構を明らかにするため、Atg15の活性調節機構と、オルガネラ脂質分解機構についての解析を行う。
本研究課題に関連する代表的論文3報
Makino S, Kawamata T, Iwasaki S, Ohsumi Y. Selectivity of mRNA degradation by autophagy in yeast Nat. Commun., 2021, Apr 19;12(1):2316.
Horie T, Kawamata T, Matsunami M, Ohsumi Y. Recycling of iron via autophagy is critical for the transition from glycolytic to respiratory growth. J. Biol. Chem., 2017, May 19;292(20)8533-8543.
Kawamata T, Horie T, Matsunami M, Sasaki M, Ohsumi Y. Zinc starvation induces autophagy in yeast. J. Biol. Chem., 2017, May 19;292(20)8520-8530.
キーワード
リパーゼ、酵母、Atg15、脂質分解、液胞