公募研究
オルガネラ膜電位を主軸とするリソソーム-細胞膜融合・膜動態制御法の確立
研究代表者納富 拓也(Notomi Takuya) |
研究課題の概要と計画
破骨細胞形成因子(RANKL)の同定以降、細胞外基質を分解する特異的領域(波状縁)を持つ破骨細胞の分化機序は明らかになってきたが、「どのように細胞外基質を分解する特異的領域にリソソーム小胞が選択輸送されるのか」という問いはほとんど明らかになっていない。私は、リソソーム特異的分子TPC2の破骨細胞での役割、光刺激-細胞膜電位変動の骨代謝における機能を明らかにしてきた。そこで、リソソーム局所における細胞膜電位変動(リソソーム膜電位変動微小領域)に焦点をあてて、リソソーム膜融合動態・特異的領域形成の解明に挑む。
計画1:リソソーム膜上分子によるリソソーム膜電位変動微小領域の形成機序;局所的なリソソーム膜電位変動を仮定して、この微小領域の形成機序と分子間相互作用をパッチクランプ法により明らかにする。
計画2:リソソーム膜電位変動微小領域による選別輸送と膜動態の光制御;確立済みの骨関連細胞における光誘導膜電位システムをリソソームに応用して、リソソーム小胞の細胞膜への選別輸送をリアルタイム観察および細胞画分を用いた標的分子のウェスタンブロッティングにより確認する。
本研究課題に関連する代表的論文3報
Notomi T, Kuno M, Hiyama A, Nozaki T, Ohura K, Ezura Y, Noda M, Role of lysosomal channel protein TPC2 in osteoclast differentiation and bone remodeling under normal and low-magnesium conditions. J Biol Chem. 2017, 292: 12: 20998-21010.
Notomi T, Kuno M, Hiyama A, Ezura Y, Honma M, Ishizuka T, Ohura K, Yawo H, Noda M, Membrane depolarization regulates intracellular RANKL transport in non-excitable osteoblasts. Bone 2015, 81: 1: 306-14.
Notomi T, Kuno M, Hiyama A, Ohura K, Noda M, Skerry TM, Zinc-induced effects on osteoclastogenesis involves activation of hyperpolarization-activated cyclic nucleotide modulated channels via changes in membrane potential. J Bone Miner Res. 2015, 30: 9: 1618-26.
キーワード
Lysosome、osteoclast、membrane potential、ion channel