PubMedID | 28460043 |
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タイトル | Cell-free mitochondrial fusion assay detected by specific protease reaction revealed Ca2+ as regulator of mitofusin-dependent mitochondrial fusion. |
ジャーナル | J Biochem, 2017 Apr 27; [Epub ahead of print] |
著者 | Ishihara N, Maeda M, Ban T, Mihara K |
- ミトコンドリア融合の定量化系の構築
- Posted by 久留米大学 分子生命科学研究所 石原直忠
- 投稿日 2017/06/30
もう一つ私達の論文を紹介します。
私達は、哺乳動物細胞から分画・単離したミトコンドリアを用いて、試験管内で融合を観察する実験系を構築しました。特に検出系として、一方のミトコンドリアのマトリックス領域に酵母Atg4を、もう一方のミトコンドリアのマトリックス領域にAtg8-GFP融合タンパク質を発現させました。これらの2種類のミトコンドリアをそれぞれ分画し、試験管内で混ぜて反応させると、ミトコンドリアが融合した時だけAtg8-GFPがAtg4によりタンパク質切断され断片が観察されるようになりました。この反応には、GTP加水分解、ミトコンドリア呼吸基質、細胞質画分(ウサギ網状赤血芽球ライセート)が必要でした。また、Ca2+がこの融合を抑制することがわかりました。
私が以前、大隅先生の研究室にいるころに、ちょうどAtg8やLC3は前駆体として合成された後に、Atg4で切断され、その後に脂質と共有結合し膜に局在化することが徐々に理解されていきました。Atg4は、試験管内で効率よくAtg8前駆体を切断できたことを思い出してこの実験系を作ってみました。
この実験を用いると、多数のサンプルを同時に定量的に解析できるため、ミトコンドリアの融合を制御するタンパク質や化合物の解析に使えるのではないかと期待しています。