オートファジーフォーラム

• オートファゴソーム形成機構に関する総説
• Posted by 東京工業大学・生命理工学院　中戸川　仁
• 投稿日 2020/07/06

こちらも時間が経ってしまいましたが、私が最近 Nat Rev Mol Cell Biol誌に書いた総説を紹介させていただきます。

同誌には2009年にも、大隅先生、鎌田さん、鈴木さんと一緒にオートファゴソームの形成機構に関する総説を書かせてもらいました。そこからちょうど10年経った昨年、この依頼を受け、とても感慨深いものがありました。2009年の時点では、ほぼAtgタンパク質周辺のことくらいしかわかっていなかったのですが（おそらく執筆途中にAxeらのオメガソーム論文が出たくらい）、今回の総説では、オートファゴソーム形成の最初（PAS形成の誘導）から最後（隔離膜のclosure）まで一通り書ける！（ホントかどうかはわからないけど書くことがある！）と何度も隔世の感を覚えました。PAS（autophagosome precursor）の形成過程や小胞体の関与などを中心に、今書いておきたいことを余すことなく書き込めたと思います。（editor/refereeに言われて書きたくないことも書かされましたが。）また、モデル図は独り歩きするので怖いのですが、これまでの報告とできるだけ矛盾しないような図も描いてみました。（editor/refereeに言われて描きたくない絵も描かされましたが。）お時間がございましたらご一読いただければ幸いです。

最後になりますが、この総説の執筆依頼を受けた時、誰かが紹介してくれたのだろうと思い、お礼が言いたいから教えて下さいとeditorに尋ねてみたら、As for our decision to invite you to write this article, we made this choice independently based on your contributions to the field. Accordingly, the people to thank would be yourself and your lab members for the great work and visibility in the community. とのことでした。これまでお世話になりました方々、特に大隅先生と大隅研でご一緒させていただいた方々にこの場を借りて深く感謝いたします。

本文引用