PubMedID | 33884901 |
---|---|
タイトル | Membranous Structures Directly Come in Contact With p62/SQSTM1 Bodies. |
ジャーナル | The journal of histochemistry and cytochemistry : official journal of the Histochemistry Society 2021 Jun;69(6):407-414. |
著者 | Tanida I, Haruta T, Suga M, Takei S, Takebe A, Furuta Y, Yamaguchi J, Oliva Trejo JA, Kakuta S, Uchiyama Y |
- Membranous Structures Directly Come in Contact With p62/SQSTM1 Bodies.
- Posted by 順天堂大学大学院 医学研究科 老人性疾患病態・治療研究センター 谷田 以誠
- 投稿日 2021/06/17
我々はエポキシ樹脂包埋試料を用いたin-resin CLEMを使って、培養細胞内でのp62ボディの超微形態について解析しました。まず最初にmKate2-p62をHeLa細胞に発現させ、同時にリン脂質(主にホスファチジルコリン)をpropagyl-cholineで標識しました。Click chemistryにより、リン脂質の生体膜を蛍光標識し、細胞内のmKate2-p62とリン脂質膜の共局在を観察しました。するとp62-ボディの蛍光シグナル中に、リン脂質のシグナルが認められました。そこで、mKate2-p62-ボディの超微形態をin-resin CLEMで解析しました。球状のp62-ボディの周辺部に膜形態が近接しているとともに、p62-ボディ内部にもreticulo-vesicularな膜形態が認められました。また、変形したp62-ボディでは、小胞体様構造が付随したオートリソソームに類似した多重膜構造が貫入しているのが認められました。このことから、p62ボディは膜構造体を内包できる性質を持つことがわかりました。
今回、観察したp62については、液滴かどうかの判断はしておりませんが、形態的には凝集体ではなく、最近の小松先生の研究室からの報告(Kageyama et al. Nat Commun. 2021 Jan 4;12(1):16. doi: 10.1038/s41467-020-20185-1. PMID: 33397898)を鑑みますと、ゲル状p62ではないかと考えております。
今後は、in-resin CLEMの相関精度を利用して、細胞の3D-in-resin CLEMと脳組織を中心とした 3D in-resin CLEMを行い、神経変性疾患モデルマウス脳におけるリソソーム・オートファジーが関わる病態形態学的解析を行いたいと思っています。