PubMedID 24554770
タイトル The HOPS complex mediates autophagosome-lysosome fusion through interaction with syntaxin 17.
ジャーナル Mol Biol Cell, 2014 Feb 19; [Epub ahead of print]
著者 Jiang P, Nishimura T, Sakamaki Y, Itakura E, Hatta T, Natsume T, Mizushima N
  • HOPS複合体はStx17依存的なオートファゴソーム-リソソーム融合に関与する
  • Posted by 東大・医 西村 多喜
  • 投稿日 2014/03/30

大学院生 Jiang Peidu君の論文を紹介させて頂きます。これまでに私たちの研究室では、オートファゴソームとリソソームの融合に関わる分子として、Syntaxin17を同定し、Syntaxin17-SNAP29-VAMP8のSNARE 複合体がオートファゴソーム-リソソーム融合の重要因子であることを明らかにしています。しかしながら、これらのSNARE分子がどのように制御されているのか、その上流因子は不明なままでした。
今回LC-MS/MS解析により、Syntaxin17と結合する分子を探索したところ(産総研夏目徹先生のグループとの共同研究)、HOPS 複合体の構成因子であるVps33AとVps16を同定しました。HOPS複合体はリソソームの膜融合に関与することが報告されているtethering複合体です。そこで、私たちはHOPS複合体がSyntaxin17を介したオートファゴソームとリソソームの融合に関与するのかどうか、検証しました。HOPS 複合体の構成因子(Vps33A, Vps39)をRNAiにより発現抑制すると、Syntaxin17陽性のオートファゴソームが蓄積し、オートファゴソームとリソソームの融合が阻害されました。一方で、これまでにHOPS複合体と結合する分子として報告されていたUVRAGは、Syntaxin17とは結合せず、エンドサイト—シス経路を介して、間接的にオートファジーに関与していると考えられました。本研究から、HOPS複合体はエンドサイト—シスとともに、Syntaxin17と結合することで、オートファゴソーム-リソソーム融合にも関与していることを明らかにしました。