PubMedID 26929408
タイトル Structural and functional analysis of a novel interaction motif within UFM1-activating enzyme 5 (UBA5) required for binding to ubiquitin-like proteins and ufmylation.
ジャーナル J Biol Chem, 2016 Feb 29; [Epub ahead of print]
著者 Habisov S, Huber J, Ichimura Y, Akutsu M, Rogova N, Loehr F, McEwan DG, Johansen T, Dikic I, Doetsch V, Komatsu M, Rogov VV, Kirkin V
  • UBA5のLIR/UFIMはそのE1活性に必要とされる
  • Posted by 新潟大学大学院医歯学総合研究科 一村義信
  • 投稿日 2016/04/21

Vladimir Kirkin研究室との共同研究により発表した論文を紹介させていただきます。以前より、私たちはGABARAPL2(GATE16)がユビキチン様タンパク質UFM1のE1様酵素であるUBA5と相互作用することを見出しておりましたが、その生理的意義の有無は不明でした。今回、私たちはUBA5のC末端近傍にLC3-interacting region (LIR)と類似の配列を見出し、UFM1 Interacting Motif(UFIM)と名付けました。さらに興味深いことに、UFIMにはGABARAPL2とUFM1が競合的に相互作用することが判明しました。構造解析の結果、UFIMは従来のLIRと同様に、GABARAPL2に存在する2つの疎水性ポケットと相互作用していました。一方、疎水性ポケットを1つしか持たないUFM1は、N末βシートの疎水面を利用することで、GABARAPL2と同じトポロジーでUFIMとの複合体を形成していました。さらに、UFM1結合システムのin vitro再構成系とUBA5KO細胞へ変異体発現実験を行った結果、UFIMに変異をもつUBA5はE1様活性が低下しており、標的タンパク質のUFM化に障害を来していました。以上の結果から、私たちはUFIMを介したUBA5とUFM1の結合は、E1様活性の促進に必要であると考えています。GABARAPL2のUFIMへの結合については、UFM修飾系の制御に関与することを想像していますが、その分子メカニズムや生理的意義については不明であり、今後の研究課題として残されています。