> サイトマップ

UBXタンパク質ファミリーとVCPの相互作用による小胞体異常タンパク質の分解制御

写真:長浜正巳

徳島大学 大学院
ソシオテクノサイエンス研究部
ライフシステム部門 准教授
長浜 正巳

小胞体異常タンパク質は、小胞体関連分解(ERAD)と呼ばれる機構により、細胞質へと放出されユビキチン-プロテアソーム系により分解される。この過程において、AAA 型シャペロンであるVCP (別名p97)が重要な役割を果たす。VCPはタンパク質分解の他に、オルガネラ膜融合などの多彩な機能に関与するが、それらはp47やUfd1/Npl4などの異なるアダプター分子との結合を介して行われる。我々は、VCPの新規結合タンパク質としてSVIPを同定したが、このタンパク質はERADの内因性阻害因子として機能する。SVIPを過剰発現させた細胞ではERADが阻害され、小胞体の異常膨潤による空胞形成が認められる。さらに我々は、VCPと結合する新たなタンパク質として、分子内にUBXドメインおよびPUB (PUG)ドメインを持つUBXD1を同定した。UBXドメインは、一般的にVCP結合モチーフとして機能すると考えられている。ヒトでは8種類のUBXタンパク質の存在が認められるが、それらの多くの機能は不明である。またPUBドメインは、ERADに関与する細胞質N-グリカナーゼ(PNGase)に見出され、他のタンパク質との相互作用に係るドメインであると考えられている。本研究では、UBXD1を始めとしたUBXタンパク質群による、VCPの機能調節機構およびそれらのERADにおける役割の解明を目的とする。

本研究課題に関連する代表的論文3報

  1. Ballar, P., Zhong, Y., Nagahama, M., Tagaya, M., Shen, Y., and Fang, S. (2007) Identification of SVIP as an endogenous inhibitor of ER-associated degradation. J. Biol. Chem. 282, 103-110
  2. Kitami, M.-I., Kitami, T., Nagahama, M., Tagaya, M., Hori, S., Kakizuka, A., Mizuno, Y., and Hattori, N. (2006) Dominant-negative effect of mutant valosin-containing protein in aggresome formation. FEBS Lett. 580, 474-478
  3. Nagahama, M., Suzuki, M., Hamada, Y., Hatsuzawa, K., Tani, K., Yamamoto,A.,and Tagaya, M. (2003) SVIP is a novel VCP/p97-interacting protein whose expression causes cell vacuolation. Mol. Biol. Cell 14, 262-273

Web page

http://www.bio.tokushima-u.ac.jp/b1group/b1index.html

▲このページの先頭へ