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ゴルジ体膜内分解制御機構の解明

写真:中村暢宏

京都産業大学・総合生命科学部・
生命システム学科・教授
中村 暢宏

S2Pはゴルジ体に局在する膜内タンパク質分解酵素(I-CLiP)である。ゴルジ体膜内でSREBPやATF6などの膜貫通部位を持った転写調節因子の膜貫通部位を分解して核移行を促し、コレステロール代謝調節や小胞体ストレス制御に大きな役割を果たしている。しかしながら、分解に携わるS2Pのゴルジ体への局在化やゴルジ体での機能制御の分子機構の解析は進んでいない。また、ゴルジ体に局在する別種のI-CLiPであるRhomboid群の脊椎動物での機能についてはほとんど解析が進んでいない。そこで本研究では、ゴルジ体に局在するI-CLiP群(GI-CLiPs)がゴルジ体膜上でどのような分子群と相互作用し・組織化・局在化されているのかを明らかにし、ゴルジ体での膜内タンパク質分解(RIP)調節機構とその生理的意義を明らかにする。(1)S2PやRhomboid群等のゴルジ体に局在するI-CLiP群(GI-CLiPs)と相互作用するタンパク質をアフィニティ精製法や酵母ツーハイブリッド解析などの手法を用いたスクリーニングによって同定する。(2)GI-CLiPsの各種欠損変異体や組み替え変異体を用いて、ゴルジ体局在に必須の部位や他のタンパク質因子群との相互作用に必須の部位を探索・同定する。(3)GI-CLiPsの局在やタンパク質因子群との相互作用を、各種欠損変異体や組み替え変異体発現、遺伝子発現ノックダウン等により操作し、基質の分解がどのような影響を受けるか探索する。

本研究課題に関連する代表的論文3報

  1. Yoshida, Y., K. Suzuki, A. Yamamoto, N. Sakai, M. Bando, K. Tanimoto, Y. Yamaguchi, T. Sakaguchi, H. Akhter, G. Fujii, S. Yoshimura, S. Ogata, M. Sohda, Y. Misumi, and N. Nakamura. 2008. YIPF5 and YIF1A recycle between the ER and the Golgi apparatus and are involved in the maintenance of the Golgi structure. Exp. Cell Res. 314:3427-3443.
  2. Yoshimura, S., K. Yoshioka, F.A. Barr, M. Lowe, K. Nakayama, S. Ohkuma, and N. Nakamura. 2005. Convergence of cell cycle regulation and growth factor signals on GRASP65. J. Biol. Chem. 280:23048-23056.
  3. Shakoori, A., G. Fujii, S. Yoshimura, M. Kitamura, K. Nakayama, T. Ito, H. Ohno, and N. Nakamura. 2003. Identification of a five-pass transmembrane protein family localizing in the Golgi apparatus and the ER. Biochem. Biophys. Res. Commun. 312:850-857.

ひと言!

看板を代えて今期も御世話になります。

Web page

http://www.kyoto-su.ac.jp/department/nls/gakka/nm/index.html

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