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細胞内分解システムの構造学的解析

写真:杤尾豪人

京都大学 大学院工学研究科
分子工学専攻
生体分子機能化学講座
准教授
杤尾 豪人

本グループはユビキチンとユビキチン結合ドメインとの相互作用について構造生物学的なアプローチで研究を行なっています。UIM、UBA、CUE などの「ユビキチン結合ドメイン」はタンパク質分解のみならず様々な細胞内イベントに関与するタンパク質に含まれていることから、それらのユビキチン認識機構に興味が持たれます。これを解明するため、リンケージ(Lys48、Lys63 etc.)の異なるポリユビキチン鎖を高純度・大量調製し、ユビキチン結合ドメインの相互作用を溶液NMR、X線結晶構造解析、X線小角散乱、高速AFMを用いて研究しています。一方で、構造生物学と細胞生物学を結びつける新しいNMR手法として「In-Cell NMR法」の開発を行なっています。従来の構造生物学は、試験管内或いは結晶中の精製タンパク質を対象としていました。In-Cell NMRは、構造生物学的アプローチを生きた細胞に持ち込もうというものです。この方法を使って、細胞内での脱ユビキチン反応やポリユビキチン鎖の構造の観察を目指していますが、精製試料の試験管内分析では得られない、新しいタンパク質像が得られると期待しています。

本研究課題に関連する代表的論文3報

  1. Inomata, K., Ohno, A., Tochio, H., Isogai, S., Tenno, T., Nakase, I., Takeuchi, T., Futaki, S., Ito, Y., Hiroaki, H, and Shirakawa, M. “High-resolution multi-dimensional NMR spectroscopy of proteins in human cells.” Nature 458, 106-109 (2009).
  2. Ohno, A., Jee, J., Fujiwara, K., Tenno, T., Goda, N., Tochio, H., Kobayashi, H., Hiroaki, H., and Shirakawa, M. “Structure of the UBA domain of Dsk2p in complex with ubiquitin molecular determinants for ubiquitin recognition.” Structure (Camb) 13, 521-532 (2005).
  3. Tenno, T., Fujiwara, K., Tochio, H., Iwai, K., Morita, E. H., Hayashi, H., Murata, S., Hiroaki, H., Sato, M., Tanaka, K., and Shirakawa, M. “Structural basis for distinct roles of Lys63- and Lys48-linked polyubiquitin chains.” Genes Cells 9, 865-875 (2004).

Web page

http://www.moleng.kyoto-u.ac.jp/~moleng_01/index.htm

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