PubMedID | 32134989 |
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タイトル | Starvation-induced autophagy via calcium-dependent TFEB dephosphorylation is suppressed by Shigyakusan. |
ジャーナル | PLoS One, 2020;15(3);e0230156, |
著者 | Ikari S, Lu SL, Hao F, Imai K, Araki Y, Yamamoto YH, Tsai CY, Nishiyama Y, Shitan N, Yoshimori T, Otomo T, Noda T |
- 漢方薬・四逆散はオートファジー を抑制する
- Posted by 大阪大学大学院生命機能研究科 碇 純子
- 投稿日 2020/03/11
オートファジー 漢方薬と言えばすぐに頭に浮かんで頂けるようになるまでには、まだまだ長い道のりですが、今回私たちが発表したオートファジーと漢方薬をテーマにした論文を紹介させて頂きます。
この度、漢方薬・四逆散が、オートファジーの活性を抑える事を見出し、その機構にせまりました。漢方薬は数千年の歴史のある中医学をもとに、日本独自の生薬の組合せで構築されました。治療効果も高く副作用も比較的少ないため、現在医療現場で活躍しておりますが、どのように効果を及ぼしているのか詳しくはわかっておりません。
本研究では、医療用漢方薬128種類の中から四逆散がオートファジーの活性を抑えることを見出しました。オートファジー 関連遺伝子の誘導を行う転写因子のTFEBはmTORC1にリン酸化され細胞質に局在しており、飢餓条件下ではカルシニューリンにより脱リン酸化され、核内に移行します。カルシニューリンを活性化するカルシウムは飢餓条件下で小胞体から流出し、四逆散はこの過程を抑制する事が示唆されました。
四逆散は膵炎、胃潰瘍や胆嚢炎、神経症などの疾患に効果を示します。しかしこの効果がオートファジー疾患と関係があるのかは現在検討中です。特にオートファジーの活性化が膵炎を発症するという報告がありますので、今後薬効成分などの分析が進むことで、新たな治療法の開発につながる事を 期待して研究を進めていきます。
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PLOS ONE
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