PubMedID 23930225
タイトル The ER-Golgi intermediate compartment is a key membrane source for the LC3 lipidation step of autophagosome biogenesis.
ジャーナル Elife, 2013;e00947,
著者 Ge L, Melville D, Zhang M, Schekman R
  • ERGICとサイトゾルを混ぜるとLC3がlipidationされる
  • Posted by 東京大学 医学系研究科 吉井紗織
  • 投稿日 2013/09/06

 本研究室のJCで取り上げた論文を紹介いたします。
 オートファジーの膜の起源としてはER、ミトコンドリア、細胞膜、Atg9小胞など、様々な説が取り上げられています。これらは主にイメージングを駆使して得られた知見ですが、この論文はin vitroの系を用いることで膜の起源を特定しようと試みました。
 Atg5 KO MEF由来の膜成分とWT細胞由来のサイトゾルを混合すると、PI3KやAtg5、7依存的にLC3がlipidationされるのが観察されました。次に、膜成分をfractionationし、このlipidation活性がどのオルガネラ由来であるかを絞り、最終的にERGICであることを突き止めました。細胞を薬剤処理しERGICを壊すとオートファジーが止まることも観察しています。
 LC3のlipidationを指標としたin vitroの系を用い、オルガネラ一つ一つ試すという新しいアプローチでオートファゴソーム形成場所を特定しようとした論文で、フラクショネーションが美しいです。LC3-IIが本当に新しく形成された隔離膜上にいるのか、それとも単離したERGICにささっているだけなのか、興味のあるところです。