PubMedID | 40216774 |
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タイトル | Autophagy is induced during plant grafting to promote wound healing. |
ジャーナル | Nature communications 2025 Apr;16(1):3483. |
著者 | Kurotani KI, Shinozaki D, Okada K, Tabata R, Kawakatsu Y, Sugita R, Utsugi Y, Okayasu K, Mori M, Tanoi K, Goto Y, Sato M, Toyooka K, Yoshimoto K, Notaguchi M |
- 植物に接木を実施したときに生じる傷の修復過程にオートファジーが関与
- Posted by 明治大学 農学部 生命科学科 吉本光希
- 投稿日 2025/04/23
私たちの研究グループと京都大学大学院理学研究科の野田口理孝教授のグループらとの共同研究の論文がNature Communicationsに2025年4月12日付で掲載されましたので、紹介させていただきます。
接木は二つ以上の植物個体を人為的操作によってつなぎあわせて育成する、有史以前より利用されてきた農業技術です。その成立には個体間の自他認識、傷口からの病原体等の侵入抑制、組織の脱分化、カルス形成、細胞間の癒合、通道組織の再構成など、多数の生理応答が関わっていると考えられますが、まだまだ不明な点が多く残されています。今回、傷口の修復過程において、特に切断面の上側の細胞群で活性化されるオートファジーが栄養源をリサイクルすることで新たなカルスの形成を促し、接木の成立に寄与することを示しました。これにより接木や、植物の傷修復時に起こる生理現象の一端が解明され、植物の傷害応答についての理解や、接木の農業利用のさらなる応用につながることが期待されます。
本件に関しましてプレスリリースを発行しておりますので、ご参照頂けますと幸いです。
https://www.meiji.ac.jp/koho/press/2025/qfki0t000002bdh3.html