PubMedID | 23291500 |
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タイトル | Discovery of a novel type of autophagy targeting RNA. |
ジャーナル | Autophagy, 2013 Mar;9(3);403-9, |
著者 | Fujiwara Y, Furuta A, Kikuchi H, Aizawa S, Hatanaka Y, Konya C, Uchida K, Yoshimura A, Tamai Y, Wada K, Kabuta T |
- 新規RNA分解システムRNautophagyの発見
- Posted by 国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 疾病研究第四部 藤原悠紀
- 投稿日 2013/12/10
掲載から半年以上が経ってしまっていますが、私たちが発表した論文について紹介させていただきます。本研究において私たちは「リソソームがATP依存的にRNAを直接取り込み、分解する」という新たな現象を発見しました。
リソソームはその内部にタンパク質や核酸、脂質、糖質など様々な生体高分子に対する加水分解酵素を有し、細胞内分解の主要な場であると考えられます。オートファジーは広義には「リソソームに細胞内の物質を輸送し、分解するシステム」のことを指しますが、これまでのオートファジー研究はマクロオートファジーを中心に進められてきました。
本研究では単離リソソームと精製RNAを用いた in vitro アッセイ系を立ち上げ、生化学的手法および免疫電子顕微鏡法によって、リソソームがATP依存的にRNAを直接内部に取り込み、分解するということを示し、この現象をRNautophagy(アールエヌオートファジー)と名付けました。
さらにリソソーム膜タンパク質LAMP2Cの細胞質側配列がRNAと直接結合することや、LAMP2C過剰発現細胞ならびにLamp2遺伝子ノックアウトマウス由来のリソソームを用いた実験結果などから、RNautophagyにおいてLAMP2CがRNA受容体の少なくとも1つとして働いていることが明らかになりました。