PubMedID | 40886313 |
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タイトル | Selective TLR ligand stimulation enhances in vivo mosquito-borne flavivirus pathogenicity. |
ジャーナル | Cell reports 2025 Aug;44(9):116210. |
著者 | Suzuki T, Miyata Y, Haga S, Itoh Y, Tanaka T, Hishinuma T, Orba Y, Eshita Y, Sakai Y, Kurosu T, Tajima S, Lim CK, Saijo M, Yamanaka A, Phanitchat T, Morales Vargas RE, Okuzaki D, Sawa H, Satoh T, Akira S, Matsuura Y, Okamoto T |
- Selective TLR ligand stimulation enhances in vivo mosquito-borne flavivirus pathogenicity.
- Posted by 順天堂大学医学研究科 岡本 徹
- 投稿日 2025/09/17
蚊が吸血する際に注入する「唾液」には、単にかゆみや腫れを引き起こすだけでなく、ウイルス感染を重症化させる働きがあることが明らかになりました。今回の研究では、日本脳炎ウイルスやデングウイルスを用いたマウス実験で、蚊の唾液が感染を大きく悪化させることが確認され、その仕組みの一端を明らかにしました。
すなわち、蚊の唾液に含まれるTLR2リガンドが免疫細胞の好中球を大量に呼び寄せることを突き止めました。好中球自体はウイルスに感染しませんが、ケモカイン等を放出することにより、ウイルスの感染許容細胞である単球やマクロファージを呼び寄せます。その結果、ウイルスが体内で効率的に増殖し、脳や全身に広がりやすくなり、感染症の重症化につながるのです。実際にマウスの脳では炎症や細胞死が強まり、死亡率の上昇が観察されました。
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本論文の研究内容が紹介されました。
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