PubMedID 24492006
タイトル Dissection of the role of p62/Sqstm1 in activation of Nrf2 during xenophagy.
ジャーナル FEBS Lett, 2014 Mar 3;588(5);822-8,
著者 Ishimura R, Tanaka K, Komatsu M.
  • ゼノファジー時におけるp62を介したNrf2活性化機構
  • Posted by 東京都医学総合研究所蛋白質リサイクルPT 石村亮輔
  • 投稿日 2014/04/11

私たちが最近発表した論文について紹介させて頂きます。
これまで、私たちの研究室ではp62の351番目のセリン残基(S351)のリン酸化を介して選択的オートファジーとKeap1-Nrf2システムが連動していることを明らかにしてきました(Mol. Cell, 2013, 51, 618-631)。しかしながら、選択的オートファジー誘導時に起きるp62の積み荷への移行とS351のリン酸化の時空間的制御の詳細は不明でした。
今回、ネズミチフス菌の排除(ゼノファジー)を選択的オートファジーのモデルとして用い、p62のリン酸化とそれに引き続くNrf2活性化の解析を行いました。その結果、1)p62はユビキチン鎖との結合を介して細胞内侵入ネズミチフス菌に移行、2)ネズミチフス菌上でp62 S351がリン酸化、3)この時、p62の自己オリゴマー化がS351のリン酸化に必要不可欠、4)p62 S351リン酸化陽性ネズミチフス菌にKeap1が移行、5)Nrf2が活性化。
したがって、本研究により、選択的オートファジーの発動にともなうNrf2の活性化は、p62のドメインを介した分子間相互作用で厳密に制御されていることが明らかにされました。