> サイトマップ

プロテアソームとカルパインのクロストークと神経機能制御に関する研究

写真:久永眞市

首都大学東京 大学院理工学研究科
生命科学専攻 教授
久永 眞市

神経細胞におけるプロテアソームとカルパインの活性調節、機能制御、そして、クロストークについて、Cdk5活性化サブユニットp35の分解を通して明らかにしたいと考えている。Cdk5はp35のプロテアソームによる全分解で不活性化され、カルパインによる限定分解で異常活性化される。これまでに、(a)プロテアソームによるp35の全分解はグルタミン酸(神経伝達物質)によって引き起こされ、シナプス可塑性に関与していること、(b)カルパインによる限定分解は神経細胞死を促進することを示してきた。後者はアルツハイマー病など神経変性疾患との関連で世界的にも注目されている問題である。プロテアソームとカルパイン間のクロストークについては、p35の全分解と限定分解はいずれも細胞膜上で起こっていること、p35のリン酸化は全分解を促進し、限定分解を抑制することなどから示唆されている。本研究では、膜結合型p35が選択的に全分解、限定分解される仕組み、カルパインおよびユビキチン/プロテアソーム系に対するCdk5活性の影響、そして、カルパスタチン遺伝子操作マウス脳を用いてユビキチン/プロテアソーム系とカルパインのクロストークの関連を調べる予定である。

本研究課題に関連する代表的論文3報

  1. Kamei, H., Saito, T, Ozawa, O., Fujita, Y., Asada, A., Bibb, J. A., Saido, T. C., Sorimachi, S., and Hisanaga, S.Supression of calpain-dependent cleavage of the cdk5 activator p35 to p25 by site-specific phosphorylation. J. Biol. Chem. 282, 1687-1694, 2007.
  2. Saito, T., Onuki, R., Fujita, Y., Kusakawa, G., Ishiguro, K., Bibb, J.A., Kishimoto, T., and Hisanaga, S. Developmental regulation of the proteolysis of the p35 Cdk5 activator by phosphorylation. J. Neurosci, 23: 1189-1197, 2003.
  3. Kusakawa, G., Saito, T., Onuki, R., Ishiguro, K., Kishimoto, T., and Hisanaga, S. Calpain-dependent proteolytic cleavage of the p35 CDK5 activtor to p25. J. Biol. Chem., 275, 17166-17172, 2000.

ひと言!

共同研究を含めて、私どもおよび領域全体としても、一層の研究の発展、広がりを期待しております。

Web page

http://www.sci.metro-u.ac.jp/mnc/index.html

▲このページの先頭へ