> サイトマップ

ユビキチンリガーゼ複合体による小胞体関連タンパク質分解機構の研究

写真:細川暢子

京都大学 再生医科学研究所
 細胞機能調節学 准教授
細川 暢子

小胞体関連分解(ER associated protein degradation; ERAD)は、小胞体内でミスフォールドしたタンパク質がサイトゾルへ引き出された後、ユビキチン化を受けてプロテアソームで分解されるシステムで、細胞や個体における恒常性維持に重要であると共に、ERADの破綻は様々な病態と関連していることが知られている。酵母小胞体膜に存在するユビキチンリガーゼHrd1は、ERADを担う重要な分子としてERAD発見当初より研究されてきた。哺乳類には、2つのホモログタンパク質、HRD1/synoviolinとgp78/AMFRが存在する。最近、酵母およびヒトにおいて、Hrd1 を中心としたERAD複合体がER膜上に存在して、小胞体タンパク質の品質管理を行っていることが報告された。また、酵母のYos9pタンパク質が、レクチンとしてN結合型糖鎖を認識して糖タンパク質のERADを促進すること、Yos9pはこのユビキチンリガーゼ複合体に含まれること、が相次いで報告された。私たちは、ヒト培養細胞を用いて、糖タンパク質ERADの研究を行ってきた。そこで、本研究において、小胞体膜のE3複合体形成と機能解析を中心に、ERADメカニズムを解明するとともに、グルコース飢餓状態における糖タンパク質分解の生理機能解明を行う。

本研究課題に関連する代表的論文3報

  1. Simultaneous induction of the four subunits of the TRAP complex by ER stress accelerates ER degradation. Nagasawa K, Higashi T, Hosokawa N, Kaufman R J, Nagata K. EMBO rep.: 8, 483-489 (2007)
  2. EDEM3, a soluble EDEM homolog, enhances glycoprotein endoplasmic reticulum-associated degradation and mannose trimming. Hirao K, Natsuka Y, Tamura T, Wada I, Morito D, Natsuka S, Romero P, Sleno B, Tremblay L O, Herscovics A, Nagata K, Hosokawa N. J. Biol. Chem.: 281, 9650-9658 (2006)
  3. A novel ER a-mannosidase-like protein accelerates ER-associated degradation. Hosokawa N, Wada I, Hasegawa K, Yorihuzi T, Tremblay L O, Herscovics A, Nagata K. EMBO Rep.: 2, 415-422 (2001)

ひと言!

宜しくお願いします。

Web page

http://www.frontier.kyoto-u.ac.jp/bf01/indexe.html

▲このページの先頭へ