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分解タンパク質の配送システムの分子機構

写真:小林英紀

岡山大学
教育科学センター 教授
小林 英紀

UBL-UBAタンパク質はUBLドメインとUBAドメインを持つタンパク質で、分解タンパク質のポリユビキチン化とプロテアソーム間を介在する配送因子としての機能を持つことが近年の研究により明らかになってきた。ユビキチン経路とプロテアソームがよく解析されているのに比べ、ユビキチン?プロテアソーム両経路間を介在する配送と仕分けの分子機構は未だ充分な理解が得られていない。我々は、出芽酵母Dsk2,Rad23の機能解析を通して、C末端UBAドメインと分解タンパク質のポリユビキチン鎖の結合及びN末端UBLドメインとプロテアソーム(19S)調節粒子の結合とを介して、UBL-UBAタンパク質が分解タンパク質をプロテアソームに運ぶ可動型の配送因子として働くことを示してきた。これらの研究成果を踏まえ、本課題研究では、ユビキチン化タンパク質のプロテアソーム配送経路におけるUBL-UBAタンパク質の配送制御と、分解基質を選択的に識別する配送経路の分子機構を解析する。解析には主に出芽酵母と培養細胞を用い、分解のfluxを正負に調節する制御因子の同定と解析、ストレス応答における分解タンパク質の仕分けと配送因子の調節的役割等を中心に研究をすすめ、ユビキチンープロテアソーム経路における配送システムの特性を知る。

本研究課題に関連する代表的論文3報

  1. Ishii T, Funakoshi M, and Kobayashi H. 2006. Yeast Pth2 is a UBL domain-binding protein that participates in the ubiquitin-proteasome pathway. EMBO J. 25, 5492-5503.
  2. Funakoshi M, Li X, Velichutina I, Hochstrasser M and Kobayashi H. 2004. Sem1, the yeast ortholog of a human BRCA2-binding protein, is a component of the proteasome regulatory particle that enhances proteasome stability. J. Cell Sci. 117: 6447-6454.
  3. Funakoshi M, Sasaki T, Nishimoto T and Kobayashi H. 2002. Budding yeast Dsk2p is a polyubiquitin-binding protein that can interact with the proteasome. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 99, 745-750.

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