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免疫システムにおけるオートファジーの役割

写真:松本満

徳島大学 疾患酵素学研究センター
免疫病態研究部門 教授
松本 満

本研究では、オートファジーによるMHC class II経路を介した内在性自己抗原の提示が自己寛容の成立機構に関わっているか否かをオートファジー不全マウスを用いた胸腺移植の実験によって検証する。そのため、オートファジー不全マウスの胎仔胸腺移植を受けたレシピエントマウスにおける自己免疫病態の発症の有無を病理学的に検討する。また、オートファジーは血球系細胞においても重要な役割を担っている可能性があり、この点についても検討を加える。すなわち、既に細胞内寄生体に対する自然免疫においてオートファジーが重要な役割をはたすことが示されているが、Th1サイトカインであるIFN- がオートファジーを促進し、逆にTh2サイトカインであるIL-13がオートファジーを阻害することから、血球系細胞内でのオートファジーがTh1/Th2バランスの効果発現を担い、それによって獲得免疫系においても重要な役割をはたしている可能性がある。そこで、本研究ではオートファジー不全マウス由来の骨髄細胞で再構築した骨髄キメラマウスを樹立し、種々の免疫応答におけるオートファジーの役割についても検討する。

本研究課題に関連する代表的論文3報

  1. Kajiura, F., Sun, S., Nomura, T., Izumi, K., Ueno, T., Bando, Y., Kuroda, N., Han, H., Li, Y., Matsushima, A., Takahama, Y., Sakaguchi, S., Mitani, T., and Matsumoto, M.
    NF-kB-inducing kinase establishes self-tolerance in a thymic stroma dependent manner.J. Immunol. 172: 2067-2075, 2004.
  2. Kuroda, N., Mitani, T., Takeda, N., Ishimaru, N., Arakaki, R., Hayashi, Y., Bando, Y., Izumi, K., Takahashi, T., Nomura, T., Sakaguchi, S., Ueno, T., Takahama, Y., Uchida, D., Sun, S., Kajiura, F., Mouri, Y., Han, H., Matsushima, A., Yamada, G., and Matsumoto, M.
    Development of autoimmunity against transcriptionally unrepressed target antigen in the thymus of Aire-deficient mice.J. Immunol. 174: 1862-1870, 2005.
  3. Matsumoto, M.
    Transcriptional regulation in thymic epithelial cells for the establishment of self tolerance.Arch. Immunol. Ther. Exp. 55: 27-34, 2007.

ひと言!

自己免疫疾患の病態解析を行っております。胸腺における自己寛容の成立機構にオートファジーが関わっていることを期待しています。どうぞ、宜しくお願い致します

Web page

http://www.ier.tokushima-u.ac.jp/index2.html

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