新規シャペロンDmp1/2の構造解析を基盤としたプロテアソームの分子集合機構
名古屋大学 大学院工学研究科
化学・生物工学専攻 助教
水島 恒裕
プロテアソームは分子量2.5M Da、約70個のサブユニットが分子集合することにより形成された巨大な蛋白質分解酵素複合体であり、各サブユニットが厳密に配置することで非常に高度な機能を獲得し、生体内の様々な調節を行っている。新規シャペロンDmp1/2複合体は酵母プロテアソームの分子集合において リングの形成に関与しており、Dmp1/2が欠損した状態ではプロテアソームの4次構造形成は正しく行われない。そのため、このシャペロンがどのようにプロテアソームと相互作用し4次構造形成に関与しているか、プロテアソーム複合体がどのようにして正しく形成されるかの理解を目指しX線結晶構造解析による構造生物学研究を行う。
X線結晶構造解析はDmp1/2複合体、プロテアソームサブユニット 5-Dmp1/2複合体で行い、それぞれの結合状態、Dmp1/2が サブユニットと相互作用した際の 4,6サブユニットとの相互作用、複合体形成時の動態を立体構造やモデルから解析し、得られた情報をもとに変異体作製などの実験を行いその機能を解析する。
本研究課題に関連する代表的論文3報
- The structure of the mammalian 20S proteasome at 2.75 A resolution. Unno M, Mizushima T, Morimoto Y, Tomisugi Y, Tanaka K, Yasuoka N, Tsukihara T, Structure. 10, 609-618. (2002)
- 20S proteasome assembly is orchestrated by two distinct pairs of chaperones in yeast and in mammals. Le Tallec B, Barrault MB, Courbeyrette R, Guerois R, Marsolier-Kergoat MC, Peyroche A, Mol Cell. 27, 660-674. (2007)
- Crystal Structure of a Novel Chaperone Complex that Contributes to the Assembly of the Yeast 20S Proteasome. Yashiroda H, Mizushima T, Okamoto K, Kameyama T, Hayashi H, Kishimoto T, Niwa S, Kasahara M, Kurimoto E, Sakata E, Suzuki A, Hirano Y, Murata S, Kato K, Yamane T, Tanaka K, (2007) 投稿中
Web page
http://www.nubio.nagoya-u.ac.jp/nubio2/b2.html
▲このページの先頭へ