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発生におけるタンパク質分解制御機構とその意義の解明

写真:中山啓子

東北大学 大学院医学系研究科
附属創生応用医学研究センター
ゲノム機能解析部門発生分化解析分野 教授
中山 啓子

タンパク質の発現量調節が個体の発生・分化に果たす役割を示すことが本研究の目標である。F-boxタンパク質 -TrCP2/Fbw1b(以下 -TrCP2)の機能解析を行い、個体の発生・分化における役割をさまざまな方法を用いて解明したい。

多くのユビキチンリガーゼの存在が明らかとなっているが、その「生物学的基質」を明らかにすることは、容易ではない。私たちはノックアウトマウスの解析によって、分解が重要な意味を持っていることを示してきたが、ユビキチンリガーゼの生化学的な機能と、表現型の間には大きな距離があることは否めない。

本研究課題では、ユビキチンリガーゼとして初めて報告されたF-boxタンパク質である -TrCP1及び -TrCP2を例として、生化学的に示された機能を検証し、一方で表現型を説明可能な基質分子の探索を行う予定である。

具体的には(1)胎生致死を来す原因の探索から -TrCP2の基質の同定、(2)コンディショナルノックアウトマウスを用いた成体での機能解析、(3) -TrCP1と -TrCP2のダブルノックアウトマウスの解析から共通の基質の有無の検討を行っている。

本研究課題に関連する代表的論文3報

  1. Kitagawa, M., Hatakeyama, S., Shirane, M., Matsumoto, M., Ishida, N., Hattori, K., Nakamichi, I., Kikuchi, A., Nakayama, K.I., Nakayama, K.; An F-box protein, FWD1, mediates ubiquitin-dependent proteolysis of β-catenin. EMBO J. 18, 2401-10 (1999).
  2. Hatakeyama, S., Kitagawa, M., Nakayama, K., Shirane, M., Matsumoto, M., Hattori, K., Higashi, H., Nakano, H., Okumura, K., Onoe, K., Good, R. A., Nakayama, K.I.; Ubiquitin-dependent degradation of IκBα is mediated by a ubiquitin ligase Skp1/Cul1/F-box protein FWD1. Proc. Natl. Acad. Sci. U S A 96, 3859-3863 (1999).
  3. Nakayama, K., Hatakeyama, S., Maruyama, S., Kikuchi, A., Onoe, K., Good, R. A., Nakayama, K.I.; Impaired degradation of inhibitory subunit of NF-κB (IκB) andβ-catenin as a result of targeted disruption of theβ-TrCP1 gene. Proc. Natl. Acad. Sci. U S A 100, 8752-7 (2003).

Web page

http://www.devgen.med.tohoku.ac.jp/

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