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17型コラーゲンectodomain sheddingの生理的機能の解明

写真:清水宏

北海道大学 大学院医学研究科
皮膚科学分野 教授
清水 宏

XVII型コラーゲン(COL17)は皮膚表皮基底膜構成分子の一つであり、表皮と真皮の接着に最も重要な働きを持つ。COL17 ectodomainがsheddingされることで表皮細胞は正常に分化(角化)し、また創傷治癒の際に遊走可能となる。しかしその生理機能と分解制御については明らかにされていない。

本研究では、申請者らが最近開発発表した新しい方法(下記の代表的論文のNo.1)を用い、COL17 ectodomain sheddingが不可能なマウスを新たに作製する。このマウス表皮細胞の遊走能やin vivoでの創傷治癒過程を検討することにより、COL17 ectodomain sheddingが実際に生体において果す生理機能について解明可能となる。更に、COL17 ectodomain shedding に中心的働きを担うと考えられているcleaving enzyme(ADAM17/TACE)を活性化あるいは抑制した場合、創傷治癒に及ぼす影響について検討する。本研究により、表皮細胞の基本的な生理機能に必須と思われるCOL17 ectodomain sheddingの生理機能が明らかとなるだけでなく、創傷治癒における新たな創薬への発展性なども期待できる。

本研究課題に関連する代表的論文3報

  1. Nishie W, Sawamura D, Goto M, Ito K, Shibaki A, McMillan JR, Sakai K, Nakamura K, Olasz E, Yancey KB, Akiyama M, *Shimizu H: Humanization of autoantigen. Nat Med 13:378-383, 2007.*本研究代表者、下線:本研究分担者
  2. Zimina EP, Fritsch A, Schermer B, Bakulina AY, Bashkurov M, Benzing T, Bruckner-Tuderman L: Extracellular phosphorylation of collagen XVII by ecto-casein kinase 2 inhibits ectodomain shedding. J Biol Chem 282:22737-22746, 2007.
  3. Tasanen K, Tunggal L, Chometon G, Bruckner-Tuderman L, Aumailey M:
    Keratinocytes from patients lacking collagen XVII display a migrating phenotype.
    Am J Pathol 164:2027-2038, 2004

ひと言!

表皮細胞におけるXVII型コラーゲンのタンパク質分解の生理機能解明を目指し、日々、精力的に研究をすすめています。

Web page

日本語版:http://www.derm-hokudai.jp/jp/kyoshitsu/shokai/index.html

英語版:http://www.derm-hokudai.jp/en/intro/faculty/index.html

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