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革新的ユビキチンシステムイメージング法の開発 

写真:今村健志

財団法人癌研究会
癌研究所
 生化学部
部長
今村 健志

本研究の目的は、in vivo(インビボ)光イメージング技術を用いて、ユビキチン・プロテアソーム系によるTGF-β/BMPシグナル調節機構を生体で解析する革新的システムを構築することである。

具体的には、Split GFPの系を用いて、TGF-β/BMPシグナルを制御するE3ユビキチンリガーゼSmurf1/2とその基質であるSmadについて、E3と基質の結合と基質のユビキチン化を可視化するトランスジェニックマウスを作製し、生きているマウスの中で経時的にユビキチン系を可視化する。さらに、レポーター遺伝子を用いて、TGF-βとBMPのシグナルを可視化するGFPトランスジェニックマウスを作製し、生きているマウスの中で経時的にTGF-β/BMPシグナルを可視化する。さらに両者を掛け合わせることによって、E3と基質の結合または基質のユビキチン化とそれらが調節するシグナル伝達を同時に可視化し、インビボでE3ユビキチンリガーゼによるTGF-β/BMPシグナル調節機構を解析する革新的イメージングシステムを構築する。以上のマウスの有用性については、Smurf1/2のノックアウトマウスとの掛け合わせによって検証する。

本研究課題に関連する代表的論文3報

  1. Nakano A, Koinuma D, Miyazawa K, Uchida T, Saitoh M, Kawabata M, Hanai JI, Akiyama H, Abe M, Miyazono K, Matsumoto T, Imamura T: Pin1 downregulates TGF-b signaling by inducing degradation of Smad proteins. J Biol Chem. 284: 6109-15, 2009
  2. Fukunaga E, Inoue Y, Komiya S, Horiguchi K, Goto K, Saitoh M, Miyazawa K, Koinuma D, Hanyu A, Imamura T: Smurf2 induces ubiquitin-dependent degradation of Smurf1 to prevent migration of breast cancer cells. J Biol Chem. 283: 35660-7, 2008
  3. Sakaue-Sawano A, Kurokawa H, Morimura T, Hanyu A, Hama H, Osawa H, Kashiwagi S, Fukami K, Miyata T, Miyoshi H, Imamura T, Ogawa M, Masai H, Miyawaki A: Visualizing spatiotemporal dynamics of multicellular cell-cycle progression. Cell. 132: 487-98, 2008

Web page

http://www.jfcr.or.jp/laboratory/tci/biochemistry/index.html

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