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亜鉛フィンガードメインUBZファミリーのユビキチン結合特異性の解明

写真:反町洋之

高エネルギー加速器研究機構
物質構造科学研究所
構造生物学研究センター 助教
川崎 政人

ポリユビキチン鎖を構成するユビキチン間の連結の種類の違いが、細胞内のタンパク質によってどのように識別されるかは、ユビキチンシグナリングを理解する上で重要な問題である。DNA修復機構において損傷乗り越え複製を行なうYファミリーポリメラーゼpolιおよび polηのC末端領域には、ユビキチン結合ドメインUBM(ubiquitin-binding motif)およびUBZ(ubiquitin-binding zinc finger)がそれぞれ存在する。UBZドメインは9つのグループに分類され、polη、polκ、Rad18などのDNA修復関連タンパク質や、転写因子NF-κBシグナリングに関わるタンパク質などに存在し、ユビキチンとの結合によってそれらのタンパク質の機能が制御されている。UBZドメイン は30アミノ酸程度の短い配列であるにも関わらず、中にはユビキチン鎖の連結の種類に対して異なる親和性を示すものがある。本研究では様々なUBZファミリーのユビキチン鎖認識機構を構造生物学的手法で解明する。

 

本研究課題に関連する代表的論文3報

  1. Rahighi, S., Ikeda, F., Kawasaki, M., Akutsu, M., Suzuki, N., Kato, R., Kensche, T., Uejima, T., Bloor, S., Komander, D., Randow, F., Wakatsuki, S. & Dikic, I. (2009) Specific recognition of linear ubiquitin chains by NEMO is important for NF-κB activation. Cell 136, 1098-1109
  2. Hirano, S., Kawasaki, M., Ura, H., Kato, R., Raiborg, C., Stenmark, H. & Wakatsuki, S. (2006) Double-sided ubiquitin binding of Hrs-UIM in endosomal protein sorting. Nat. Struct. Mol. Biol. 13, 272-277
  3. Kawasaki, M., Shiba, T., Shiba, Y., Yamaguchi, Y., Matsugaki, N., Igarashi, N., Suzuki, M., Kato, R., Kato, K., Nakayama, K. & Wakatsuki, S. (2005) Molecular mechanism of ubiquitin recognition by GGA3 GAT domain. Genes Cells 10, 639-654

ひと言!

複雑で巧妙なユビキチンシグナリングのからくりを、立体構造解析によって少しずつ視覚的に理解することが出来ればと思っています。

Web page

http://pfweis.kek.jp/index_ja.html

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