20Sプロテアソーム複合体構築に関与するシャペロン蛋白質の構造及び作用機構解析
名古屋市立大学
大学院薬学研究科
生命分子構造学分野 准教授
水島 恒裕
プロテアソームは分子量250万、約70個のサブユニットが分子集合した巨大なタンパク質分解酵素複合体である。そして、プロテアソームは各サブユニットが厳密に配置することで非常に高度な機能を獲得し、生体内の様々な調節を行っている。触媒活性部位を含む20Sプロテアソームは7種類のαとβサブユニットからなるリングがα1-7β1-7β1-7α1-7の四層構造を形成しており、酵母20Sプロテアソームの四次構造形成には3種類の専用シャペロンタンパク質Dmp1/2、Pba1/2、Ump1が関与している。
これまでにシャペロンタンパク質Dmp1/2の立体構造を単独およびプロテアソームサブユニットとの複合体として決定し機能研究を行った。本課題では他のシャペロンタンパク質であるPba1/2、Ump1の構造解析を行い、立体構造情報をもとにDmp1/2を含めた分子集合機構の機能解析を行う。そしてこれらの結果より、シャペロンタンパク質により制御された28個の20Sプロテアソームサブユニットの厳密な複合体形成機構の解明を目指す。
本研究課題に関連する代表的論文3報
- Crystal structure of a chaperone complex that contributes to the assembly of yeast 20S proteasomes. Yashiroda H, Mizushima T, Okamoto K, Kameyama T, Hayashi H, Kishimoto T, Niwa S, Kasahara M, Kurimoto E, Sakata E, Takagi K, Suzuki A, Hirano Y, Murata S, Kato K, Yamane T, Tanaka K., Nat Struct Mol Biol. 15, 228-236. (2008)
- Structural basis for the selection of glycosylated substrates by SCF(Fbs1) ubiquitin ligase. Mizushima T, Yoshida Y, Kumanomidou T, Hasegawa Y, Suzuki A, Yamane T, Tanaka K., Proc Natl Acad Sci U S A. 104, 5777-5781. (2007)
- The structure of the mammalian 20S proteasome at 2.75 A resolution. Unno M, Mizushima T, Morimoto Y, Tomisugi Y, Tanaka K, Yasuoka N, Tsukihara T, Structure. 10, 609-618. (2002)
ひと言!
立体構造を明らかにすることでプロテアソームの複雑な機能を理解したいと思い研究を進めております。宜しくお願い申し上げます。
Web page
http://www.phar.nagoya-cu.ac.jp/hp/sbk/index.html
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