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ユビキチンプロテオソーム系によるクロマチン構造の変換機構の解析

写真:村山明子

筑波大学
大学院生命環境科学研究科
講師
村山 明子

CHIPはU-box型のユビキチンリガーゼである。本申請者らは、CHIPがエストロゲンレセプター(ER)の分解に関与していることを報告した。さらに、申請者らは、CHIPと乳癌の関係を解析し、CHIPが癌転移と腫瘍形成を著しく抑制することを明らかにした。CHIP依存的癌転移抑制はCHIP によるAIB1の分解に起因する。一方、腫瘍形成にはAIB1は関与せず、AIB1とは異なるCHIPの未知標的タンパク質(X)の存在が示唆された。

これまでの申請者らの結果では、CHIPを乳癌細胞でノックダウンするとBcl2のmRNA量が60倍近く上昇することが明らかになった。Bcl2は細胞の非接着培養下でのアポトーシスを抑制し、腫瘍形成を促進する可能性が考えられる。そこで、本研究では、Bcl2の足場非依存的増殖と腫瘍形成への関与を解析するとともに、Bcl2量を制御するCHIP標的蛋白質Xの探索と同定を行う。具体的には以下の研究を期間内に進める。

 1】Bcl2と乳癌のアノイキス耐性との関係の解明
 2】CHIPによるBcl2mRNAの量の抑制メカニズムの解明
 3】Bcl2の量を制御するCHIPの標的蛋白質Xの探索と同定

本研究課題に関連する代表的論文3報

  1. Kajiro M, Hirota R, Nakajima Y, Kawanowa K, So-Ma K, Ito I, Yamaguchi Y, Ohie SH, Kobayashi Y, Seino Y, Kawano M, Kawabe YI, Takei H, Hayashi SI, Kurosumi M, Murayama A, Kimura K, Yanagisawa J.  The ubiquitin ligase CHIP acts as an upstream regulator of oncogenic pathways. Nat Cell Biol. 11, 312-319 (2009)
  2. Murayama A, Ohmori K, Fujimura A, Minami H, Yasuzawa-Tanaka K, Kuroda T, Oie S, Daitoku H, Okuwaki M, Nagata K, Fukamizu A, Kimura K,  Shimizu  T, Yanagisawa J  Epigenetic control of rDNA loci in response to intracellular energy status. Cell 133, 627-639 (2008)
  3. Tateishi, Y., Kawabe, Y., Chiba, T., Murata, S., Ichikawa, K., Murayama, A., Tanaka, K., Baba, T., Kato, S., Yanagisawa, J.  Ligand-dependent switching of ubiquitin-proteasome pathways for estrogen receptor. EMBO J. 23, 4813-4823 (2004)

Web page

http://yanagisawalab.org/

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