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聖マリアンナ医科大学 医学部
乳腺・内分泌外科 兼
応用分子腫瘍学 教授
太田 智彦
遺伝子発現プロファイルによって乳癌は5つのサブタイプに分類された。このうち最も予後不良なbasal-like型乳癌はBRCA1の機能不全によって生じる。さらに、BRCA1/2に変異のある癌において、抗癌剤に起因する2度目の変異による野生型reading frameの回復が、抗癌剤に対する耐性獲得のメカニズムとして報告され、 BRCA1径路によるDNA修復能が化学療法感受性を左右することが明らかとなった。このような観点からBRCA1の機能不全をターゲットとした化学療法が乳癌の治療戦略として注目されており、その機能解析は臨床に直結する重要な課題である。
申請者らはBRCA1がBARD1とともにRING二量体型のユビキチンリガーゼ(E3)を形成することを発見し、その生理学的意義について研究を進めてきた。本研究では電離放射線やDNA損傷性化学療法剤に起因するDNA二重鎖切断に応答するBRCA1の機能のうち、相同組み替え修復、チェックポイント、アポトーシスの3つの径路におけるE3活性の役割を、特にBRCA1の基質であるNPM1、RPB8と、BRCA1の活性を抑制する脱ユビキチン酵素BAP1に焦点をあてて解析する。これらのメカニズムを通して乳癌のDNA損傷薬剤に対する感受性に影響を与える遺伝的背景を明らかにする。
Ubiquitin、細胞周期、乳癌をテーマに臨床応用を視野に入れて研究をしております。本特定研究班で幅広く勉強させていただければと考えています。
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