植物プロテアソーム構造変換による環境適応機能の解明
北海道大学
大学院先端生命科学研究院
(生命科学院)
形態機能学II 教授
山口 淳二
26Sプロテアソームは、ユビキチンカスケードを介したタンパク質の能動的分解システムの実行機械である。この巨大タンパク質複合体は、高等植物が持つ優れた環境適応能力を説明するための分子機構候補として注目を浴びている。私たちは、モデル植物シロイヌナズナを用いて、19Sプロテアソームを構成するサブユニットRPT2aの機能欠損変異体(rpt2a)において、葉器官等が巨大化する現象を発見した。その後の研究により、この原因がエンドリデュプリケーションという細胞周期異常に由来する細胞サイズ増大に起因することを明らかにした。今回、植物プロテアソームの構造変換に着目し、パラログ遺伝子の機能解析、ターゲット分子の探索、量比変動のプロテオーム解析等を実施する。このような植物プロテアソームの機能解明により、新たなプロテアソームの機能性の発見が期待できる。
研究計画は、以下の3課題よりなる。
1)プロテアソームサブユニット構造変動による環境適応機構の解明
2)植物プロテアソーム結合因子・アセンブリ機能の探索
3)細胞・器官サイズ制御機能の解明
本研究課題に関連する代表的論文3報
- Sonoda Y, Sako K, Maki Y, Yamazaki N, Yamamoto H, Ikeda A and Yamaguchi J (2009) Regulation of leaf organ size by the Arabidopsis RPT2a 19S proteasome subunit. Plant J. in press
- Sonoda Y, Yao S-G, Sako K, Sato T, Kato W, Ohto M, Ichikawa T. Matsui M, Yamaguchi J, Ikeda A (2007) SHA1, a novel RING-finger protein functions in shoot apical meristem maintenance in Arabidopsis. Plant J. 50: 586-596
- Yanagawa Y, Sullivan JA, Komatsu S, Gusmaroli G, Suzuki G, Yin J, Ishibashi T, Saijo Y, Rubio V, Kimura S, Deng XW. (2004) Arabidopsis COP10 forms a complex with DDB1 and DET1 in vivo and enhances the activity of ubiquitin conjugating enzymes. Genes Dev. 18: 2172-2181
ひと言!
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